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マンガとかアニメとかゲームとか・・そんな徒然話をだらだらと。
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久しぶりに作文。



あーーー、とは言いませんね。
模様替え作業中に昔のファイルが沢山出てきました。
どれもこれもどうしようもないものなので、まぁ、本気でどうでもいいんですけど。これだけは、ほとんど出来上がってる気がしたのでちょこっとお披露目でもしてみるかーと。




*愛はたくさんのはずなのに、相変わらず鬼畜な感じのバル(笑
*何故かアーシェ出てきませんせんが、思いっきりバルアシェだったり。
*アーシェとの密会の翌日の出来事・・・って感じかな?それじゃ、お盛んすぎますか(笑



 *****




“もう、いっちゃうの?”


まだ暗い部屋。
頼る明かりは窓から差し込む大げさなほどの大きな月から発する光だけ。
狭い部屋にその光が差し込まない場所などなく、けだるい声を発するその女の顔を照らしていた。
滲んだ口紅が、肉感的な輪郭をぼやかし、その瞳は崩れた化粧の跡のおかげで
一回り大きく見せている。
ふと、あぁ、この女はこんな顔をしていたんだなと、そんな事を今更ながらに思った。

「悪いな。待ち人がいるんでね。」
「知ってるわ。あのヴィエラでしょ。」


とくに興味もなさそうに発したその口調が逆にその女の心をさらけ出している。
プライドが高いのだろう。気の毒に。
この場所はこの女にとって相当窮屈であるに違いない。


バルフレアはふっと笑い呟いた。


「俺のこともご存知ってだったってわけか。」
「あなた、有名人だもの。」
「最初に言えよ。わざわざ偽名なんて使う必要なかっただろ。」
「面白かったの。」


その女はにこりともせずにそんな言葉を吐き出した。

「あんたも面白いぜ。」


賛美を込めたつもりの言葉をどう受取ったのかわからないが、女はその固い顔を緩めた。
笑うと意外と幼い。
もしかしたら、自分より若いのかもしれない


「ねぇ、また会える?」
「あぁ。もちろん。」


間髪いれず答えた完璧なはずの答えにさらに女が笑い出した。

「よく言うわね。そんな気もないくせに。」

非難めいた言葉でも責めているわけではないらしい。
ただケラケラと笑うその姿に興味が沸いてきた。
抱くだけ抱いて、今更興味が出たとは随分だと自分で思う。


「何がそんなにおかしい?」
「だって・・・私の名前すら覚えていないでしょう。」
「聞いたか?」
「言ったわよ。」
「・・悪い。かなり酔っていたからな。」
「そうね、仕方ないわ。」
「ではお嬢様、改めてお名前をお聞かせいただけますか?」
「覚えてくれる?」
「忘れるもんか。」
「私の名前は・・」

滲んだ赤い唇からもっと赤い舌が覗き、その唇を舐めあげ濡らす。
光る唇がゆっくりと開き、その名前を呼んだ。

「アーシェ。」
「・・・あぁ?」
「聞こえなかった?もう一度言うわ。私の名前は、アーシェ。」

自分はどんな顔をしていたのだろうか?
目の前の女は一瞬その眉間に皺を寄せ、首を傾げるとまた思い出したように笑いだした。

「・・じゃないわよ。残念でした。」
「・・・・・」
「ふふっ・・狐につままれたみたいな顔ってこういう事をいうのね。」
「なんで・・」
「本当に覚えていないのね、何もかも。あなた私を抱きながら何度もその名前を呼んでたわ。」
「・・・・・」
「私似てる?その人に。」

言われるままに、視線をその女に戻した。
輪郭も、瞳の色も、肌の色もすべてがやはりまったくの別人で。
唯一同じ色をしていたはずのその髪も今となっては色相まで違う気がする。

「・・・・いや、似てねーな」
「そ。やっぱりね。―――――恋人の名前ではないの?」
「・・・・」
「随分と辛そうによぶから、わたしまで悲しくなった。」
「・・・・」
「悲恋なんて、似合わないわよ。」
「・・・まぁ。色々あるさ。」

ごまかしたいのか、その会話を止めたかったのか。わからない。
ただ自然と伸びた腕がその女の手首をつかみ、引き寄せていた。
女は流れるように体を預けてくる。
抵抗などこの女の中には存在しない感情なのだろうか。




「あら、気がかわったの?」
「あんたが妙なこと言い出したから。」
「ふふっ・・作戦成功ということかしら」
「引き止めたかったのなら、そういうことになるな。」
「随分と、おりこうね。」

そう囁く。
そして、その白い手が頬をなでた。

苦しい。
逃れたくて足掻いても、なお、追いかけてくる感情。
望みなど何もないはずなのに。
すべてを手に入れたはずだったのに。
何が足りないというのか?


「取りあえず、あんたの本当の名を教えてくれよ。」


何故か、二度と会うことなどないであろう、その女の名前がどうしようもなく知りたくなった。

「いやよ。教えない。だって、知らなければ、私はあなたの“アーシェ”でいられる。
今だけその名前を私に頂戴。
あなたが彼女を呼ぶように、私を呼んで・・・」


目を閉じた。
不覚にも、またあの肌を想い出す。
隆起する体が苦しい。喉の奥が熱い。


そして知る。こんなにも囚われていることを。

俺は、なんて―――最悪だ。


FIN










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